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犬のこと

こんばんわ。
暑いよね。
今日はスズメも朝から水浴びしてたよ。
元気に過ごしてる?


今日は犬の話。


「ほら、カン助。
こんなに痩せた。」

同僚の携帯のなかに、
くたびれたカン助が横たわっている。
カン助は彼女の実家で飼っている犬。
病気が進行して、ご飯もほとんど食べなくて、
もうすぐ死んでしまうんだそうだ。

3年前、一度だけ会ったことがある。
皆で車で12時間。一晩かけてたどり着いた先。
庭先で大きな犬が吠える。
あれが、会いたかったカン助。

ラブラドールレトリバー系の雑種。
ザクザクした黒い毛並み。
ガッシリとした背中を私に持たせかけて、
初対面の私の手や腕をずーっと甘噛みし続けた。
悲しげで何か必死な茶色い目。
「お母ちゃん!」
って、声が聞こえてきそうだった。
あの子はきっと本当の犬のお母ちゃんのこと、
思い出していたんだ。

私と会った頃は、大きな犬らしいゴツゴツした骨格で、
うざったくなるくらい、存在感と生命力に溢れていたのに。

命のスピードが速い。
簡単に追い抜いてしまう。
「分かっているけど、悲しいですね。」
かろうじて、それだけ言う。


安楽死も考えたけれど、やめたそうだ。
あまりにも穏やかに、カン助が毎日を生きているから。

お父さんが庭木の水やりで庭に降りると、
少ししっぽを振る。
起き上がってヨロヨロと寄って来る。
「水、好き。かけて。」
水浴びに満足したら、日蔭にもどってうずくまる。
大好きな原っぱに連れて行ったら、嬉しそうにして、
その日だけはご飯を食べたそうだ。

水しぶきを浴びる気持ちよさ。
空にキラキラと舞う雫が舌に落ちる。
慣れ親しんだ原っぱのしっとりと冷たい地面の感覚。
濃い緑の匂い。
家族の、心配や、悲しみや、可愛いって気持ちがこもった、
優しい眼差し、優しい声。
この世の日々を慈しんでいるような老犬と、
静かで、穏やかで、けれど張り詰めた空気の家族。

そういう切ない風景が目に見えるようで、仕事中なのに涙ぐんでしまう。

どうか、カン助の毎日に、たくさんのいいことがありますように。


今日も読んでくれてありがとう。
他人の、1度しか会ったことのない犬なのに、
泣きそうで、切実に祈りたくなるなんて変だよね。
それの祈りをここに綴るのはもっと変だね。
でも、書かずにはいられなかったんだ。
書いたからといって、なんの助けにもならないのにね。

私、慣れ親しんだ我が家で穏やかに死ねるカン助が羨ましいな。

じゃあ、またね。
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 みほ

Author: みほ
生きる日のよろこび、悲しみ。
一日一日が新しい彩りをもって
息づいている。
(By岡本太郎)

本と植物のお話が中心です。

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